パラダイムシフト

ケン・フォレットの『大聖堂』ようやく読了。長いす。登場人物少ないので、1500ページ超を引っ張るのはかなり厳しいでは。面白いのはたしかだが、ベルリオーズの idee fixe よろしく、同じようなシーンを配役を取り替えて描き出すのは、予定調和を裏切ることなく読ませる力量には敬服しつつ、やや食べ飽きちゃいます。ただ、親子や兄妹でも才能や性格に隔たりがあることを強調するのは興味深く、家柄や血筋だけではない「天分」の差を示しているようで、面白かったです。神に愛されるひとはあらかじめ決まっていて、そうやって選ばれたひとも努力せなあかんということですな。つぎは、ちょっとは仕事に役立つ書物をと思い、トーマス・クーンの『科学革命の構造』を読んでおります。近世と近代の分水嶺は「科学」的か否かで引ける。しかし、いっぱいおるで。錬金術師みたいなひとたち。知性は時代に左右されるもんではなく、個々人の努力の上に立っていることを噛み締める。

科学革命の構造

科学革命の構造