インヴィジブル・サーカス

正月からの腰痛も、ナボリンのおかげか、だいぶ和らいできた。いまは Loggins & Messina の『Sittin'In』を聞きながら書いている。1週間のうちに1冊は本を読もうと決めたわけだが、部屋には開いてすらいない書物が積まれている。とりあえず、気を引かれた書物は購入することにしている。大学院のころ、研究室のスタッフのMさん(現在では准教授にまでなったようだ)が書物狂いで「いま買わないと絶版になるからな」とシコシコ学生生協に日参していたのを目の当たりにしたからだ。たしかに、蓮實重彦 の『フーコードゥルーズデリダ』はそういう憂き目を見たらしい。2002年に大阪から川崎へと居を移したときには、自宅に蔵書のほとんどを置いてきたのだが、10年ほどで本棚が2つ塞がるほどにスペースを占めている。とりあえずは、いま目を通している書物について。ジェニファー・イーガン『インヴィジブル・サーカス』。初版は2000年8月なので、まだ大学院生になりたてのころ落手したものらしい。どうやらキャメロン・ディアス主演で映画化もされているらしい。当時のことが記憶の奥底から浮き上がってくる。別段キャメロン・ディアスが好きだったわけではなく、クリスチャン・スレーターが好きだったので、二人が共演する『ベリー・バッド・ウエディング』という映画を見に行ったのだ。場所は梅田三番街シネマ。いまは閉館になって跡形もない。そのときのキャメロン・ディアスのぶっ飛んだ演技が気に入ったことが深層心理となっていたのかもしれない。ページをめくるとシャーペンで下線が引いてあり、過去になん度か読む努力をしたようだ。四部構成で一部を読み終えた。沢木耕太郎の『深夜特急』のように旅する物語になるようだ。しかも、2つの作品はどうやら1968年前後の時代を投影して書かれているようなのだ。しかし、『インヴィジブル・サーカス』と『深夜特急』には、当然だが、旅に出る動機に大きな差があるようで、そのへんは後日内容のある記述を試みたい。おそらく、僕のスタンスは『インヴィジブル・サーカス』の主人公・フィービに近いのかもしれない。なにかが失われたことは分かるが、それがなんなのか、ぼんやりとしか分からない。1968年という時点は現代の交差点のような気がじつは大学生のころからずっとしている。そこからはじめるのは一つの考え方かもしれない。

ナボリンS 45T[第3類]

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Sittin in

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インヴィジブル・サーカス (BOOK PLUS)

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ベリー・バッド・ウェディング 完全版 [DVD]

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深夜特急1?香港・マカオ? (新潮文庫)

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