ガウシアンとローレシアン

Harry Nilsson の『Nilsson Sings Newman』を聞いている。いまのところ『インヴィジブル・サーカス』(以下IC)を読んでいる。備忘録のような記述になるが、『深夜特急』と『IC』はガウシアンとローレシアンのような関係ではないのか、とふと思った。大学4回生のときに出会った S さん(当時は船員保険病院で医師として勤務されていた)というひとが、NMRどころか古典物理さえ怪しい僕の相手をしてくれて、合成ペプチドの1Dを測定しているときに、説明するでもなく話してくれた。曰く、「NMRスペクトルはガウシアンしか見えていないが、裏ではローレシアンが走っているのです」。出鱈目なことを書くとアラン・ソーカルに怒られそうなので、感想文だとあらかじめことわっておくが、おそらく量子力学の話である。つまり、量子力学を解くためには波動方程式運動方程式の両方を解かねばならず、且つ、導き出された解は確率というぼやけた衣装をだらりと纏っている。これは同期で物理学を志していた C の口癖だった。「気持ち悪い」といくらか感情的になりながら。とりあえず、『IC』を最後まで読もう。

Nilsson Sings Newman

Nilsson Sings Newman

「知」の欺瞞―ポストモダン思想における科学の濫用

「知」の欺瞞―ポストモダン思想における科学の濫用