実験しまくり

3月に入り、かなりの時間実験室に入り浸って、手を動かしている。愛する酵素アミノ酸置換を施して耐熱性を向上させるという仕事をここ6年間ほど継続的にやってきたのだが、今期で終了なので、バリバリ耐熱度が増した変異体数種類をシコシコ精製し、酵素学的なデータを取る準備をしておるのだ。蛋白質の精製は面白い。いま扱っている酵素はゲルろ過カラム(G25)でバッファー交換したあと、S系のイオン交換カラムにかけるだけで終わり。実質1段精製という優れモノ。また、もともとが安定性の高い酵素なので、室温で操作しても問題なし。生化学を専門としているのに学生のときからコールドルーム(4℃設定)で仕事したことないです(学生のときには悪名高いマルゴト1ヒキPに参加させられておりましたもので)。学生のときにはまったく気にしていなかった物質収支もしっかり取っております。上司がうるさいもので・・・。しかし、精製はいい。キレイになるのはいいことである。気が晴れる。単調な作業だし、精神修養にもってこいである。同時に、de novo の代謝経路が流れるかをたしかめるべく、E. coli 内での異種酵素の構成発現を検討中。遺伝子操作もできるんです、いちよう・・・。完全に遊軍です。「劇団ひとり」です。研究者は孤独でないとね。4月からは高分子なひとにならねばなので、少し憂鬱です。でも、これまでとはちがう勉強できることはええことやで。「知識人はアマチュアであれ」とは『知識人とは何か』のなかでエドワード・サイードが繰り返すセリフである。

知識人とは何か (平凡社ライブラリー)

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